自分は非エンジニアです。会社員をしながら、コーヒー豆の焙煎を副業として育てていて、その作業の多くをAI(Claude)と一緒に進めています。
ある朝、Facebookで企業向けのAI研修の広告を見かけました。研修を受けるつもりはなかったのですが、そこに出てきた「ハーネス」という言葉が気になり、AIに意味を聞いてみました。
結論から言うと、研修は受けずに、広告の考え方だけを借りて、自分のAI作業の環境を3つ整えました。その流れを残しておきます。
「ハーネス」とは何か
広告には、こんな式が書かれていました。
AIエージェント = モデル + ハーネス
AIに聞いた説明を、自分なりにまとめるとこうなります。
- モデル:AIの「脳」。Claudeなどの頭脳の部分
- ハーネス:脳を実際に働かせるための「身体」。もともとは「馬具」という意味の英語
馬だけでは荷車を引けず、馬具をつけて初めて仕事ができます。AIも同じで、脳だけでは「文章を考えて返す」ことしかできません。ファイルを読み書きしたり、ネットで調べたり、作業を何段階も続けたりできるのは、ハーネスがあるからです。
広告の主張は、「最新の脳はどの会社でも使える。差がつくのはハーネス(身体)の作り方だ」というものでした。
ハーネスの4つの部分
広告では、ハーネスを4つに分けていました。自分の使い方に当てはめると、こうなります。
| 部分 | 広告での説明 | 自分の場合 |
|---|---|---|
| A 情報を渡す | AIに社内の文脈や判断基準を与える | 前提メモ・作業ログを毎回読ませている |
| B 道具を渡す | AIが検索や実行など現実の作業を担う | ブログ投稿、Canva、Gmailなどをつないでいる |
| C 管理・監視する | 暴走を防ぎ、安全に業務へ組み込む | 実行前の確認画面くらい |
| D 働き方を設計する | 個人利用で終わらず、チームで動かす | 一人で使っているので、今は不要 |
こうして並べると、AとBは知らないうちにやっていたことに気づきました。そこで、「この考え方で、自分に活かせるものはある?」とAIに聞いてみました。
取り入れた1:よくやる作業を「スキル」にした
スキルとは、AIに持たせておく作業の手順書です。一度作っておけば、毎回同じ説明をしなくても、同じやり方で進めてくれます。
最初、AIはバーコードをExcelに入れる作業を候補に挙げました。でも、これは以前うまくいかなかった作業です。そこで逆に「ほかにある?」と聞くと、AIが過去の作業ログを読み返して、繰り返しやっている作業を3つ見つけてきました。
- ブログ記事を書いて、WordPressに下書き投稿する
- ブログ記事をnote用に作り直す
- Instagramのインサイト(反応の数字)を分析する
どれも、過去に実際にやって、うまくいった手順をもとにしています。特にnote版は、前の晩に作った手順で投稿したらうまくいったので、「あのやり方を毎回して」とお願いしました。
この記事も、実は1つ目のスキルを使って書いています。
取り入れた2:作業ログを月ごとのファイルに分けた
自分は、AIに作業をしてもらうたびに、その内容を「作業ログ」というファイルに書き足してもらっています。次の会話で、AIがこれを読んで続きから作業できるようにするためです。
ここでAIに「作業ログが大量になると不具合は?」と聞いてみました。答えは、ありますでした。
- 作業の始めに全部読むので、時間がかかる
- AIの利用量を早く使ってしまう
- AIが一度に覚えておける量を圧迫して、長い作業の途中で前のほうの内容を忘れやすくなる
確認すると、作業ログは約2か月半で2,300行を超えていました。
そこで「1か月ごとにファイルを増やすことはできる?」と聞き、次のように変えてもらいました。
- 「作業ログ」フォルダを作り、2026-07、2026-08…と月ごとのファイルに分ける
- 書き足すのは今月のファイルだけ(月が変わったら自動で新しく作る)
- 作業の始めに読むのも今月分だけ。昔のことが必要なときだけ過去の月を探す
元のファイルも、念のため名前を変えて残してあります。
取り入れた3:「フック」で書き忘れと削除を見張る
フックとは、決まったタイミングで必ず動く、自動チェックの仕組みです。AIへの「お願い」ではなく「仕組み」なので、AIがうっかり忘れても動きます。
今回入れたのは2つです。
- 作業ログの書き忘れ防止:ファイルを作ったり直したりしたのに、作業ログを書いていないとき、AIが作業を終える前に書き足させる
- 削除の前に確認:ファイルを消す操作の前に、必ず確認画面を出して止める
AIの提案を、そのまま信じなかった話
ここで一つ、引っかかったことがありました。
「削除の確認画面って、前から出てなかった?」
聞いてみると、AIの答えは「はい、出ていました」でした。もともとClaude Codeは、許可していない操作の前に確認を求める作りになっていたのです。今回のフックで変わるのは、「常に許可」を押した操作や、確認なしで進める設定にしているときでも、削除だけは必ず止まる、という保険の部分だけでした。
それなら、設定する前に言ってほしかったところです。そう伝えると、AIの作業ルールに「新しい設定を提案するときは、今できていることと入れると何が変わるかを先に説明してから選んでもらう」という一文が加わりました。
AIは便利ですが、提案をそのまま受け入れると、必要のないものまで増えていきます。「それ、前からできてなかった?」と一度聞き返すのは、大事だと感じました。
まだ確かめていないこと
フックが、実際のClaude Codeでちゃんと動くかは、まだ確かめていません。次の作業のときに試して、結果をこの記事に書き足す予定です。
また、スキルとフックは、自宅のパソコンのClaude Codeで、作業フォルダを開いて使うときに効きます。スマホの普通のチャット画面など、入り口によっては効かないものもあるので、そこは注意が必要でした。
まとめ
- 研修の広告でも、考え方だけ借りれば、自分の環境に活かせることがある
- 「ハーネス」は、AIの脳を働かせるための身体。前提メモや作業ログも、その一部
- よくやる作業はスキルに、増えすぎた記録は月ごとに、忘れやすいことはフックに
- AIの提案は、「今と何が変わるの?」と一度聞き返す
同じように、AIを毎日使っているけれど、なんとなく使い方が散らかってきた、という非エンジニアの方の参考になればうれしいです。

コメント