コーヒー豆の副業(GODA COFFEE ROASTERY)のマーケティングを、AIと一緒にどう進めていくか相談していたときのこと。「今後Instagram・TikTokでマーケティングしていく上で、何かシステムを作るとしたら何かある?」と聞いたところから、話がLINEの自動返信づくりに転がっていった。
きっかけは「Instagramで見た紹介動画」
相談していた中で、いくつかシステム案が出てきた。TikTok用のキャプション自動生成、投稿ネタの提案、インサイトの自動集計、LINEへの導線強化。
その流れで、ふと思い出したことを聞いてみた。
「インスタの動画で見たんやけど、LINEとClaude Codeって連携できてるの?」
これは実は、Instagramで見かけた「Lステップ」というツールを紹介する動画がきっかけだった。ツール名までは覚えていなかったので、最初は「LINEと連携する仕組み」という記憶だけで質問した形になる。
答えは「公式の連携ボタンがあるわけではなく、LINEの開発者向けの仕組み(Messaging API)を使って、自分で自動応答の仕組みを組む」というものだった。つまり「連携する」というより「LINE用の自動応答システムを作る」という話。
「あ、それLステップやったっけ」
そこで、見た動画の内容を思い出した。「Lステップやったっけあれとはまた違う?」
聞いてみると、性質がかなり違うらしい。
| Lステップ | 自分で作る場合 | |
|---|---|---|
| できること | 決まったシナリオ通りの自動配信・タグ管理 | メッセージの内容を読んで、AIがその場で返信を考える |
| 費用 | 月額(だいたい数千円〜) | 月額固定費なし。動いた分のAPI利用料のみ |
| 手間 | 管理画面で設定するだけ | 開発者用の設定と仕組みの構築が必要 |
| 得意なこと | 「クーポン取得後3日後にリマインド」のような決まった流れ | 「豆の挽き方を聞かれたら答える」のような柔軟な返信 |
固定客がまだ月2人という規模で、月額を払うほどのボリュームはまだない。ちょうど今のLINE公式アカウント(クーポン配信用)にも困っていない。だったら、必要な部分だけ自分で組む方が今の身の丈に合っている、という判断になった。
「よくある質問への自動返信」から着手
やりたいことは2つあった。
- よくある質問(挽き方・保存方法など)への自動返信
- 注文後のお礼メッセージの自動化
②は調べてみると、BASE(使っているネットショップサービス)には「注文が入った瞬間に知らせる」仕組み(Webhook)が公式には存在しないことが分かった。代わりに「数分〜数時間おきに自分から新しい注文が無いか確認しに行く」方式でなら作れる。
「①からいこう」ということで、まずはよくある質問対応から着手することにした。
材料集め:LINE Developersでのひと悶着
まずLINE公式アカウントマネージャーの管理画面から「Messaging API」を有効化。プロバイダー名を入力し、プライバシーポリシー欄は空欄のまま(任意項目だった)進めていく。
チャネルシークレットとチャネルアクセストークン、この2つの「パスワードのようなもの」を発行する必要があったのだが、ここで少し迷った。
- 「チャネルシークレット」を見て「これか」と思ったら、必要なのは別の「チャネルアクセストークン」だった
- 「アサーション署名キー」という別の項目に一度迷い込んだ(これは今回使わない高度な設定だった)
- 結局Ctrl+Fで「チャネルアクセストークン」を検索して発見
見つけにくいことこの上ないが、これも「詰まった記録」としてここに残しておく。
.envファイル、まさかの空白のまま保存
材料が揃ったところで、コード側の準備。Claude Codeに新しいプロジェクトフォルダを作ってもらい、必要な3つの値(チャネルシークレット・チャネルアクセストークン・OpenAIのAPIキー)を.envという設定ファイルに書き込む作業に入った。
ここでも一悶着あった。
一度「入力できた」と伝えたのに、確認してみると中身が空白のまま。原因は2つ重なっていた。1つはエディタに.envのタブが2つ開いていたこと(片方は別プロジェクト・Instagram自動投稿用、もう片方が今回の分)。もう1つは、そもそもまだ保存していなかったこと。「メモ帳は入力した後だと、地味にありがたい機能だった。
デプロイ成功、そして最初のテスト
「Deploy web service」を押すと、ログがリアルタイムで流れ始める。
Build successful Deploying... Running 'gunicorn app:app' Your service is live Available at your primary URL https://goda-coffee-line-bot-1.onrender.com
1分半ほどで「稼働中」の表示に。あとはこのURLをLINE側の「Webhook URL」欄に設定し、「検証」ボタンで疎通確認、「ウェブフックを使用する」のスイッチをオンにすれば準備完了。
実際にLINEで自分宛にメッセージを送ってみた。
豆の種類は
返ってきた答えは、こうだった。
豆の種類については、今のところ具体的な情報を確認できていません。確認してから改めてお答えしますので、もう少々お待ちください。
一見「情報が足りず答えられなかった」だけに見えるが、これは実は狙い通りの動きだった。AIへの指示文の中に「わからないことは正直に『確認してから改めてお答えします』と伝え、適当な情報を作らないでください」と書いておいたからだ。テキトーな情報をお客さんに送ってしまうのが一番怖いので、これが機能しているのを見て安心した。
商品情報を追記して、再テスト
そこで、すでにInstagram自動投稿用に用意していた商品データ(タンザニアAA・ケニアAA・トラジャランテカルアの3種類、それぞれの味の特徴や価格)を、LINE用の「お店情報ファイル」にも追記。GitHubへpushすると、Renderが自動で新しいバージョンに更新してくれる。
もう一度「豆の種類は?」とh��いてみると、今度は3商品それぞれの特徴と価格を、きちんと整理して答えてくれた。
できあがったもの
- LINE公式アカウント側でMessaging APIを有効化
- GitHubにプライベートリポジトリを作成(コードを保存)
- Render(無料プラン)で24時間稼�Mするサーバーを用意
- お客さんからの質問内容を読んで、お店の情報をもとにAIが返信を作成
月額固定費はゼロ。動いた分のAI利用料が数十円〜数百円かかる程度で、Lステップの月額を払うより今の規模には合っている。
情報を追加したくなったら、テキストファイルに書き足してGitHubへ反映するだけ。パソコンの電源を切っていても、LINEに質問が来れば24時間いつでも自動で答えてくれる。
振り返って
Lステップ� いう名前だけ知っていたツールと比べてみたことで、「決まった配信をするツール」と「その場で考えて答えるAI」は全然別物だと分かったのが、今回の一番の収穫だった気がする。
同時に、非エンジニアがゼロから組もうとすると、チャネルシークレットとアクセストークンを間違えたり、.envファイルを保存し忘れたり、スマホでの入力に苦戦したり、詰まりどころは山ほどある。それでも一つずつ聞きながら進めれば、月額を払わずに自分の店専用の仕組みができあがる。
正直に言うと、こっちがジジイなもので、聞いた瞬間・見た瞬間からもう忘れる。だから今回みたいに、一歩進むごとに「これで合ってる?」とAIに確認しながらでないと、そもそも前に進めない。詰まりどころが多いのは仕組みが難しいからというより、こっちの記憶力の問題も半分くらいある気がする。それでも、その都度聞き返せば答えが返ってくるので、忘れても困らない。
次は、注文が入ったときのお礼メッセージの自動化に進む予定。BASEには注文検知の仕組み(Webhook)が無いので、また別の壁が待っていそうだが、そもまた記録していきたい。

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