非エンジニアがBlenderとAIで、マルシェ用コーヒーカウンターを設計した記録

コーヒー豆の販売用に、マルシェで使う木製カウンターを自作しようとしています。その前段階として、無料の3DソフトBlenderを、Claude Code(AIに指示を出して作業してもらうツール)につないで、完成イメージを作ってもらいました。

結論から言うと、専門用語を使わず「こんな感じで」と話しかけるだけで、3Dの完成イメージから設計図までできました。ただし途中、つまずいた点や、AIが先に気づいてくれた設計の穴もあったので、時系列で残します。

使ったもの

  • Blender 5.2(無料の3Dソフト)
  • Claude Code(AIに作業を頼むツール)
  • BlenderMCP(Claude CodeとBlenderをつなぐ無料の連携ツール)
  • uv(連携ツールを動かすための小さな補助ソフト)

経過(時系列)

0. きっかけ:Instagramの動画を見て、試してみたくなった

きっかけは、Instagramで見かけた動画でした。カフェの内装を、3Dで実際に作っていく内容で、「自分のお店でも、こういうイメージが先に作れたらいい」と思いました。

最初にAIに聞いたのは、「ブレンダー、インストールできる?」でした。答えは、無料で入れられる、というものでした。

1. Blenderを入れて、Claude Codeとつなぐ

次に聞いたのは「Claude Codeを使って、Blenderで3Dソフトを使いたい」でした。AIは、BlenderMCPという無料の連携ツールを案内してくれました。ついでに「もっと優秀な3Dソフトはある?」とも聞きましたが、答えは、コーヒー豆店のPRには、無料のBlenderで十分(オーバースペック)というものでした。

この連携の準備では、次の点でつまずきました。

  • 寄付のページが開く: Blenderをダウンロードすると、寄付のお願い画面が出ます。支払いは任意で、閉じて大丈夫です
  • ファイルを選ぶ画面で、パスが貼り付けられない: 左側のドライブ一覧から、フォルダを順にクリックして辿りました
  • アドオンが一覧に出てこない: 名前が「Blender MCP」ではなく「MCP for Blender」でした
  • サイドバーのタブが見つからない: Nキーで開くサイドバーの右端に、縦書きで小さく並んでいました
  • 登録した直後の会話では動かない: 新しい会話を始め直す必要がありました

「Connected on port 9876」と出れば、接続成功です。詳しい手順は、別記事「非エンジニアがClaude CodeとBlenderをつないでみた記録(つまずいた点つき)」にまとめています。

2. 最初のテスト:赤い立方体 → カフェ風の部屋 → エスプレッソマシン

新しい会話で、まず「赤い立方体を作って」と頼みました。無事に、赤い立方体が出ました(「立方体」を言い間違えて「リッポー体」と言っても通じました)。

続けて「カフェの感じの部屋を作って」と頼むと、次のものができました。

  • 木目の床と壁
  • 丸テーブル2卓と椅子4脚
  • カウンター
  • 暖色の照明

さらに「カウンターにエスプレッソマシーンを置いて」「もう少し綺麗に、ロケットのアパルトメントみたいに」と頼むと、銅色のボイラー、木製のノブ、ポルタフィルターがついた、ロケット・アパルトメント風のマシンに作り直してくれました。

3. ここで思いついた:「マルシェのコーヒー台の設計図も描ける?」

寸法を言えばその通りに作ってくれる、と聞いて、思いつきました。

  • 「マルシェで使うようなコーヒーのテーブルの設計図も描ける?」→ 描ける(正面図・側面図・寸法つき)
  • 「作るときの角材や板の量も出してもらえる?」→ 3Dモデルの寸法から、買い出しリストまで出せる

これが、今回のカウンター作りの出発点になりました。

4. 仕様メモを渡して「3D画像を作って」

後日、カウンターの寸法メモを渡して、「このデータを使ってBlenderで3D画像を作って」と頼みました。

渡したメモ(仕様メモ)の中身は、次のとおりです。

前提

  • 自作(木製・分解式)、屋根なし、色は黒か茶色
  • 運搬はハスラー(荷室の実寸は未確認)
  • 置くものは、ケトル、グラインダー(型番は要確認)、サーバー
  • お湯は現地で沸かす(カセットコンロ+ケトル)
  • 電源はポータブル電源(正弦波・300W/300Wh前後)を想定
  • 予算と最初の日程は未確認

寸法案(単位mm) 全体は幅1000×奥行500×高さ約900

  • 天板:1000×500×厚18(1枚)
  • 脚(縦材):45×45×高さ880(4本)
  • 脚の横つなぎ材:45×45×長さ410(4本)
  • 前後の横つなぎ材:45×45×長さ910(2本)
  • 下段の棚板:900×400×厚12(1枚)

注意点

  • コンロの下には耐熱板(ステンレス板やタイル)を敷く
  • 会場で火気が使えるか、主催者に要確認
  • ポータブル電源の定格出力は、グラインダーの消費電力の2倍ほど余裕を持たせる

未確認(次に決めること)

  • ハスラーの荷室の長さ・幅・高さ(後部座席を倒した状態)
  • 予算と最初の日程
  • グラインダーのメーカー名・型番・消費電力

このメモをもとに、AIが寸法どおりの3Dモデルを作りました。のちに、上の横つなぎ材を足すなど、設計は少しずつ変わっています。

頼んだとき、最初の返事は「Blenderに接続できませんでした」でした。理由は単純で、Blenderを先に起動しておらず、あとから起動したからです。Blenderは、先に自分で起動して、連携を開始しておく必要があります(AIの側からは起動できません)。起動してつなぎ直すと、つながりました。つながったあとは、メモの寸法どおりに、脚、天板、横つなぎ材、下段の棚板を作ってくれました。天板の上には、ケトルとコンロ、グラインダー、サーバーも簡単な形で置いてあります。

色は「黒か茶色」が決まっていなかったので、仮に茶色になりました。決まっていない部分は、仮で進めて、あとで直せるのがよかったです。

最初のモデル(骨組みと天板の上の道具)

(この段階から後の画像は、当時の画面ではなく、完成後のデータから部品を外して描き直した「近い図」です。当時は幅1000mmでしたが、図は完成形の幅1200mmで再現しています)

5. 「前面を囲う感じで」

前面に板を1枚張りました。幅1000×高さ830×厚み12mmです。下段の棚が客側から見えなくなります。

前面に板を張った状態

6. 「店板の上も」→ AIから確認が来た

次の指示は「店板の上も」でした。看板のことなのか、天板のことなのか、AIには判断がつきませんでした。そこで推測せずに、次の2択で聞いてくれました。

  1. 看板の上も(前面の板の上に店名の看板を立てる)
  2. 天板の上も(天板の周りに縁や柵を付ける)

「2」と答えると、天板の前と左右に高さ100mmの縁が付きました。言葉が曖昧なとき、勝手に進めずに選択肢で聞いてくれるのは、非エンジニアにはありがたい動きでした。

天板の周りに縁を付けた状態

7. 「下にキャスターを付けて」→ 高さの問題が出た

脚の下に高さ80mmのキャスターを付けました。すると、本体ごと80mm持ち上がり、天板が約978mmの高さになりました。ハンドドリップには高めです。

AIはこの点をすぐに指摘して、「脚を短くして900mm前後に戻すか、今のままか」を聞いてくれました(これは今も未決定です)。あわせて、マルシェで使うならストッパー付きのキャスターが必要という注意ももらいました。

キャスターを付けた状態

8. 「豆を置けるぐらいの広さに」→ 幅1200mmに

販売用の豆を置く場所がほしいと伝えると、AIは3つの案を出しました。

  • 天板を横に広げる
  • 前面の板の上に傾斜した陳列棚を付ける
  • 下段の棚を在庫置き場にする

あわせて、ハスラーの荷室に積めるかが先だと確認してくれました。荷室は実測していませんが、「1200ぐらいならいける」と伝えて、幅を1000→1200mmに広げました。

ただし、前の縁(高さ100mm)で、袋が客側から見えにくいという問題が出ました。

9. 「前に、商品を引っ掛けて陳列する感じ」

そこで、前面の板の手前に、引っ掛けて取り付ける陳列棚を作りました。

  • 幅500mmの背板に、棚を2段付ける
  • 黒い金具2つで、縁の上端に引っ掛ける
  • 各段の手前に、落下防止の縁を付ける
  • 豆の袋を10個並べる

棚は外せるので、運ぶときは板として重ねられます。「ええ感じやね」と思えるイメージになりました。

完成イメージ(斜め)
完成イメージ(正面)
引っ掛け陳列棚のアップ
天板の上(ケトル・コンロ、グラインダー、サーバー)

10. 保存

Blenderのファイル(.blend)と完成イメージの画像(.png)を、作業フォルダに保存しました。

11. 「細かい設計図をだして」→ AIが設計の穴を見つけた

最後に、設計図を頼みました。出てきたのは次のものです。

  • 正面図、側面図、上面図、下段の断面図(寸法入り)
  • 部品表(木部14種+金具)
  • 角材の必要な長さ(合計9,600mm)
  • 組み立ての順番と、運ぶときの注意
設計図 正面図
設計図 側面図
設計図 上面図

図面にするために全部の寸法を並べ直したところ、棚板を載せる場所がないことが分かりました。最初のメモの棚板(900×400)も、幅を広げた今の棚板(1100×400)も、横つなぎ材の内側にすっぽり収まるだけで、支えがありません。3Dの見た目では気づきにくい部分でした。

そこで、図面では「受け桟」(20×20×1100mmの細い角材を、前後の横つなぎ材の内側に付ける)を足して解決しています。3Dモデルにはまだ入っていません。

下段の断面図(受け桟を追加)

この流れで分かったこと

  • 専門用語は要らない。 「前面を囲う感じで」「下にキャスターを付けて」だけで通じる。言い間違いや聞き間違いがあっても、意図を汲んでくれる
  • 曖昧な言葉はAIが聞き返してくれる。 推測で進めず、最初に確認が入る
  • 試しに作ったものが、次の依頼につながる。 カフェの部屋を作っているうちに「コーヒー台も作れるのでは」と思いついた
  • 見た目では気づかない穴を、図面にする段階で見つけてくれる。 3Dでうまく見えても、作れるとは限らない
  • 決まっていないことは、仮で進めて、最後にまとめて確認できる

まだ決まっていないこと(正直に)

  • 天板の高さ(今は978mm。脚を短くして900mm前後に戻すか)
  • ハスラーの荷室の実測(1200mmの部材が積めるか)
  • キャスターの種類(ストッパー付き)
  • 陳列棚の金具の強度
  • コンロの周りの縁の高さと、会場で火気が使えるか
  • 色(茶色か黒)
  • グラインダーの寸法

これらは、実際に作る前に決めていきます。また進んだら、続きを書きます。

同じように「木工も3Dも素人だけど、商売の道具を自作したい」という方の、参考になればうれしいです。

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